コラム 2025年11月2日
ゴルフ肘(内側上顆炎)
金孝燮
代表院長
肘の内側が痛むなら — 内側上顆炎
ゴルフ肘(medial epicondylitis)は肘の内側の骨突起部に痛みが生じる疾患です。円回内筋(pronator teres)と橈側手根屈筋(flexor carpi radialis)が内側上顆に付着する部位で腱の変性が起こり、痛みが生じます。ゴルフスイングだけでなく、手首を曲げたり前腕を内側にひねったりする反復動作すべてで発生し得ます。
テニス肘との鑑別
外側上顆炎(テニス肘)が手首の伸筋付着部の問題であるのに対し、内側上顆炎は手首の屈筋付着部の問題です。両疾患は痛みの位置が正反対で、悪化動作も異なります。
- 外側(テニス肘):手首を反らしたり物をひねったりすると肘の外側に痛み
- 内側(ゴルフ肘):手首を曲げたり物を強く握ると内側に痛み
- 頻度:外側が5~10倍多く、内側は約10~20%を占めます。
- 随伴症状:内側上顆炎は尺骨神経刺激により薬指・小指のしびれを伴うことがあります。
韓方治療のアプローチ
韓医学では内側上顆炎を筋骨の気血循環障害による痛みと捉えます。鍼治療で少海穴(HT3)・曲泉穴(LR8)などを刺激して内側構造物の循環を改善し、薬鍼を腱付着部に直接注入して抗炎症作用と組織再生を促進します。
- 鍼治療:内側上顆周辺の経穴を刺激して痛みを和らげ血流を改善
- 薬鍼:消炎作用のある薬剤を腱病変に直接投与
- 刀鍼治療:慢性化した癒着組織を解除して腱の活動性を回復
生活習慣の改善と再発予防
ゴルフ肘は再発率が高いため、治療後も前腕の筋力強化とストレッチを続ける必要があります。重い物を持つときは両手を使い、手首を中立位に保つ習慣が大切です。職業的に反復動作が避けられない場合は、作業中10分ごとに短いストレッチを行いましょう。