コラム 2025年5月8日
ばね指(弾発指)— 指が引っかかるとき
金孝燮
代表院長
指を伸ばすときカチッと音がして引っかかるなら
ばね指(trigger finger、弾発指)は、指の屈筋腱がA1プーリー(pulley)を通過する際に引っかかったり固まったりする現象です。指を曲げ伸ばしするときカクッとした感覚があり、ひどい場合は曲がった状態でロック(locking)されて反対の手で伸ばさなければならない状態まで進行します。親指、中指、薬指で最も多く発生します。
A1プーリーと腱結節の関係
指の屈筋腱はプーリー(pulley)というトンネル構造を通って動きます。A1プーリーは手のひらと指の境界(MCP関節部位)に位置していますが、反復使用や加齢で腱に結節ができたりプーリーが肥厚すると、腱がプーリーをスムーズに通過できず引っかかるようになります。
- 初期:朝の指のこわばり、曲げ伸ばし時の軽い引っかかり
- 進行期:はっきりしたカチッという音とともに瞬間的にロックされて解除
- 重症期:完全にロックされて反対の手で伸ばさなければならない
- 好発群:50〜60代の女性、糖尿病患者で頻度が高いです。
韓方治療:薬鍼で結節を縮小
薬鍼治療は腱結節部位に消炎薬剤を直接注入し、結節のサイズを縮めプーリーとの摩擦を減少させます。鍼治療で局所血行を促進し、灸で組織の柔軟性を回復します。
- 薬鍼:A1プーリー部位への精密注入で腱浮腫と結節を縮小
- 鍼:手のひらの局所経穴刺激で疼痛緩和と血流促進
- 温熱治療:灸・赤外線で組織柔軟性を向上させ朝のこわばりを緩和
- 自己管理:温かいお湯に手を浸した後、優しい屈曲・伸展運動で腱の滑走を維持
糖尿病があればより積極的に
糖尿病患者は複数の指に同時にばね指が発生し、治療反応も遅い傾向があります。血糖管理を徹底しながら鍼・薬鍼治療を併用すれば、手術なしでも相当な改善を期待できます。