コラム 2025年7月9日
生理痛 — 鎮痛剤に頼らない過ごし方、韓方の根本治療
金孝燮
代表院長
生理痛の二つの韓医学的原因
毎月繰り返される強い生理痛に、鎮痛剤だけに頼っている女性が多くいます。韓医学では生理痛を大きく二つの病理に分けます。一つ目は気滞血瘀(キタイケツオ, 氣滯血瘀)で、ストレスや感情の抑圧により気(氣)の流れが滞ると血(血)も停滞し、子宮に瘀血が溜まって痛みが生じます。刺すような痛みが特徴で、血塊(けっかい)が出ると痛みが和らぐ傾向があります。
二つ目は寒凝血滞(カンギョウケッタイ, 寒凝血滯)で、冷たい食べ物や環境のため子宮が冷えると、血が凍りついたように停滞します。重だるい下腹部痛が特徴で、温罨法(温湿布)で少し楽になります。
処方 — 当帰芍薬散と温経湯
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン, 當歸芍藥散):血虚(ヒョッキョ, 血虛)と水湿(スイシツ, 水濕)が重なる虚証型の生理痛に用います。当帰(トウキ, Angelica sinensis)・芍薬(シャクヤク, Paeonia lactiflora)・川芎(センキュウ, Ligusticum chuanxiong)で血を補い瘀血を解き、白朮(ビャクジュツ, Atractylodes macrocephala)・茯苓(ブクリョウ, Poria cocos)・沢瀉(タクシャ, Alisma orientale)で水湿を除きます。やせ型で顔色が青白い女性に適します。
- 温経湯(オンケイトウ, 溫經湯):寒凝血滞型に用いる処方で、呉茱萸(ゴシュユ)・桂枝(ケイシ)で子宮を温め、当帰・芍薬・川芎で血の循環を促します。生理周期が不規則で下腹部が冷えやすい方に効果的です。
三陰交(SP6)・関元(CV4)への灸治療
三陰交は内くるぶしから上に指4本分のところに位置し、肝・脾・腎の三つの経絡が交わる経穴です。婦人科疾患の万能穴と呼ばれ、子宮と卵巣の血流を改善します。関元は臍下三寸(約8cm)にあり、下腹部を直接温め、寒証型の生理痛に即効的です。生理予定の5~7日前から毎日灸を据えると、痛みを予防できます。
生活でのケア
生理1週間前から冷たい飲み物・アイスクリーム・生ビールを避け、温かい生姜茶・桂皮茶を飲みましょう。軽いストレッチや骨盤運動は子宮の血流を改善し、けいれんを軽減します。ストレス管理のための腹式呼吸も気滞血瘀の解消に役立ちます。