コラム 2025年7月20日
むくみ体質 — 毎朝顔がむくむ理由と韓方治療
金孝燮
代表院長
毎朝むくむ顔 — 単なる疲れ?
朝起きると顔がパンパンにむくみ、午後になると脚が重く靴下の跡が深く残る方がいます。一時的なむくみは塩分の摂りすぎや睡眠不足でも起こりますが、慢性的に繰り返すむくみは水分代謝の異常を意味します。腎臓・心臓・甲状腺疾患を除外したうえで、特別な器質的原因なくむくむ場合を特発性浮腫(idiopathic edema)と呼びます。
脾虚湿蒸と水分代謝
韓医学では水分代謝は三つの臓腑が司ります。肺は水を下に降ろし(通調水道)、脾は水を上に持ち上げ全身に分布させ(運化水湿)、腎は不要な水を尿として排出します(気化)。この中で脾胃の運化機能が弱まると、水湿が居場所を失い皮膚下や組織間に停滞します。これが脾虚湿蒸のむくみです。
五苓散と防已黄耆湯
- 五苓散:沢瀉・猪苓・茯苓・白朮・桂枝で構成される利水の代表処方です。膀胱の気化を助け尿で停滞した水分を排出します。尿量が少なく口渇のあるむくみに効果的です。
- 防已黄耆湯:脾気虚で水湿が停滞したむくみに用います。黄耆で気を補いつつ、防已で水湿を強力に排出します。下肢のむくみが強く疲労感を伴う方に適しています。
リンパ循環の改善
むくみ改善にはリンパ循環が鍵です。鍼治療で水分(CV9)・陰陵泉(SP9)・三陰交(SP6)などの経穴を刺激するとリンパの流れが促進されます。セルフケアでは朝の温冷交互洗顔、顔のかっさ(gua sha)マッサージ、脚を上げて寝ることを実践してください。塩分摂取を減らし(1日5g以下)、カリウムが豊富なバナナ・さつまいも・ほうれん草を摂取すると体内ナトリウムの排出に役立ちます。