コラム 2025年9月1日
交通事故後の腰の痛みと腰椎捻挫
金孝燮
代表院長
衝撃エネルギーと腰椎損傷
交通事故では衝突エネルギーがシートベルトを介して骨盤と腰部に集中します。特に側面衝突や正面衝突では腰椎4〜5番(L4-L5)と腰仙椎接合部(L5-S1)の軟部組織が最も多くの衝撃を吸収します。腰椎周囲の多裂筋、腰方形筋、腸腰筋に微細断裂が生じると急性腰椎捻挫に至ります。
椎間板刺激と放散痛
もともと軽度の椎間板膨隆(bulging)があった患者は、事故の衝撃で椎間板ヘルニアが悪化することがあります。脱出した髄核が神経根を圧迫すると、臀部から下肢へ広がる放散痛としびれが現れます。下肢伸展挙上(SLR)検査で陽性が出れば椎間板刺激を疑います。
推拿+鍼+薬鍼の複合治療
腰椎推拿療法は変位した椎骨を矯正し、椎間孔を広げて神経圧迫を軽減します。同時に腰陽関、大腸兪、環跳に鍼治療を行い、腰椎周囲経絡の気血疎通を回復させます。シンバロ薬鍼をL4-L5またはL5-S1の夾脊穴に注入すると、椎間板周囲の炎症が抑制され放散痛が軽減します。
韓方薬治療
急性期には当帰鬚散で瘀血を除去し、亜急性期以降は独活寄生湯に切り替えて腰椎周囲の気血循環と靭帯・筋肉の回復を促進します。下肢放散痛が強ければ牛膝、防己を加味します。
- 損傷好発部位:L4-L5、L5-S1
- 核心経穴:腰陽関、大腸兪、環跳、夾脊穴
- 薬鍼:シンバロ薬鍼(椎間板周囲の炎症抑制)
- 韓方薬:当帰鬚散 → 独活寄生湯(急性期 → 亜急性期)