コラム 2026年1月14日
足底筋膜炎 — 朝の最初の一歩のピリッとした痛み
金孝燮
代表院長
足底筋膜の構造と機能
足底筋膜(plantar fascia)は踵骨内側結節(medial calcaneal tubercle)から始まり、5本の足指の基部まで扇状に広がる強固な線維組織です。歩行時に足が地面を押し出す際、足指が背屈すると足底筋膜が張って足のアーチを高めるウインドラス機構(windlass mechanism)が働きます。この機構のおかげで足は硬い梃子となり、効率よく推進力を生み出します。
なぜ朝の最初の一歩が最も痛いのか
睡眠中は足首が自然に底屈(つま先が下向き)状態になり、足底筋膜が収縮したまま数時間を過ごします。起床後最初の一歩を踏み出すと、収縮していた筋膜が急激に引っ張られ、踵骨付着部に微小断裂が再発し、ピリッとした痛みが現れます。数分歩くと筋膜が徐々に伸びて痛みが減るのが特徴です。
危険因子
長時間立って働く職業(教師・販売職)、過体重、扁平足または凹足、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)の硬さ、クッションのない靴の着用が主な危険因子です。最近急に運動量を増やした場合(週末の登山、マラソン挑戦)にも発生します。
韓方治療アプローチ
- 鍼治療:踵骨内側結節の圧痛点に直接刺鍼し、太谿(KI3)・湧泉(KI1)・三陰交(SP6)に補助刺鍼します。電気鍼(2〜100Hz混合波)で疼痛抑制と血流改善を同時に達成します。
- 薬鍼:足底筋膜付着部に消炎薬鍼を注入し、局所炎症を鎮静させます。紫河車薬鍼は組織再生も促します。
- 韓方薬:当帰四逆湯加減で下肢末端の血流を改善し、四物湯合二妙散で湿熱を除去します。
ストレッチとインソール
起床直後にベッドに座って手ぬぐいで足底を引っ張る足底筋膜ストレッチと、壁を支えてふくらはぎを伸ばす運動を毎日行います。アーチを支えるオーダーメイドのインソールと踵クッションパッドを着用すると、踵骨付着部のストレスが減ります。室内でも素足より、クッション付きスリッパを履く方がよいでしょう。